あまのじゃくの楽園

この年齢になって感じるのが、自分の幼い頃のことを知っている人間の存在の大きさだ。人は成長するにつれて、関わる人や環境が変わり、それに順応するために性格や考え方も変化する。しかし、本来自分が生まれもって備わった性質は変わらない。それが正直に現れていたのが幼少期で、その頃の自分の記憶は限りなく断片的で、儚い。だから、その当時の自分を客観視していた人間の存在は、自分自身を知るうえでとても重要で、自分のことを知りたければ、彼らにヒアリングするのが最も効果的だと思う。自分の生まれつきの性質と今の自分に大きな乖離があるのなら、それは自分を偽って生きてきた数十年が、そこにあるということを意味していて、多くのあまのじゃくたちは、それに愕然として、迷い、うろたえ、失意のなかで、生まれつきの性質を、そっと否定して、本来の自分から離れていく道を進む。それが難しい道だとわかっていても、軌道修正するのは難しい。光に向かって歩きたい素直な気持ちが、幼少期の純粋な自分と重なる。それが陰と陽の関係で、陽とされるのならば、今の自分は陰であるのか。否定されることを恐れることから生まれるあまのじゃくの性格は、実直で誠実であることと紙一重である。その清廉潔白な生き方が難しいことを悟った人間の、社会に対する抵抗があまのじゃくの発現である。恥じることのない生き方である。

ここは あまのじゃくの楽園

難しい生き方を選択してきた人が ひとやすみできる場所

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