表紙はきらびやかだけど、中身は薄っぺらなビジネス書が増えたなあ。と思う。2000円の書籍でも、価値のある部分はせいぜい500円。タイトルや帯に書いてあるキャッチコピーは立派だけど、読後感がそれに見合わない。きつい言い方だが「本の”表紙”が一番良かった」という書籍もある。10年以上前から、似たようなトピックの書籍が多くて、最近話題の単語とかを引っ張り出して、くっつけて、無理やり焼き直ししている。しかも、内容は洗練されているかというと、その逆で、どんどんと薄くなっていっている。「薄く」というと控えめな表現で、実際は「酷く」なっている。結果や成果を、読者がすぐに求めてしまうから、言葉の意味や歴史が捨象されて、上澄みの部分だけをすくって文字に起こしている感じ。それじゃあ、腹に溜まらないし、腹落ちしない。こんな書籍ばかり出して、読書の価値を下げてしまっているのは、出版社の責任。ただ、タイパやコスパを重視する読者の方も、いたずらに本を買って読むことが、時間とお金の浪費であることに気づかないといけないのかも。特にビジネス書を読んで成長したいと思う若者なら、良書を選ぶ審美眼を磨く必要があると思う。手当たり次第に話題の書籍を手に取り、読み散らかすのではなくて、これだと思った一冊を何度も読んで、自分のカラダの一部にする。それがベストセラーでなくてもいい。ボロボロになるまで読み込みたい書籍が、最近、見つからない。
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